群馬県議会 2021-03-11
令和 3年第1回定例会環境農林常任委員会(環境森林部関係)−03月11日-01号
場長は、今年で退職されると聞いているので、
後輩職員への指導をよろしくお願いしたい。
コンテナ苗について、植栽時の作業が軽減されると聞いたが、その他の
ポット苗の効果について伺いたい。
◎曲沢
林業試験場長
コンテナ苗の効果、利点については、裸苗と比べて根に土がついているので、春から秋まで
植栽時期を選ばないことが大きな利点である。
◆
久保田順一郎 委員
ヒノキの苗木については、生産者のボランティアに依存せざるを得ない状況があった。
1年ものの苗木を植栽に出荷できればいいが、2年、3年ものの苗木でないと植栽後の育ちが良くないと聞いている。
コンテナ苗で根を圧縮して育てるストレスで、発育が早いのではないかという話も聞いた。
また、早く発育して枝を広げてもらえれば、日陰で雑草が生えなくなるのではという話も聞いている。
コンテナ苗木の保育作業における影響について伺いたい。
◎曲沢
林業試験場長
コンテナ苗の場合は、ポットの中に根が押し込まれ、規格が30センチから40センチの樹高が高いものを出荷しているが、残念ながら根元径に細い部分がある。
根の張り方が裸苗に比較して弱いという事実があり、植栽した場合に裸苗と比較して初期の1年目の成長が遅いことから、
下刈り等の手間が増える。
このため、
林業試験場では、根元径が太く、根の量が多く均一になるようなポットの硬さ、肥料の種類や量を調査研究している。
◆
久保田順一郎 委員
林野庁は、
コンテナ苗の予算化に前向きであると聞いているので、
予算要求はしっかりとやっていただきたい。
◆金子渡 委員
今年度は、
ドギーバッグアイデアコンテストへの参加で
ドギーバッグを推進してきたが、
新型コロナウイルス感染症の影響で宴会も少なく、
ドギーバッグが実際の場で活躍することがあまりなかったと思うが、今年度の取組と、来年度の取組について伺いたい。
◎木島
気候変動対策課長
ドギーバッグは、外食時における料理の食べ残しを持ち帰るための容器である。
飲食店などの
外食産業では、通常食べ残した料理が廃棄され、
食品ロスとなっている。
これら
外食産業から発生している
食品ロスは、全国で年間約127万トンで、県内でも約3万トンと推計されている。
そこで、
飲食店等において廃棄される
食品ロスを削減するために、食べ残しを持ち帰る
ドギーバッグを普及させることが重要であると考えて取組を進めている。
令和2年度においては、環境省が主催する「
Newドギーバッグアイデアコンテスト」に群馬県から「あっ
ぱれぐんまちゃん賞」を提供し、国と連携してコンテストを実施した。
ネーミングの部門と、
パッケージデザインの部門を併せて、約2700件もの応募があった。
パッケージデザイン部門においては、県内から12の
作品応募があり、審査の結果、県内で幅広く
レストランチェーンを展開している
株式会社レストランスワンの
デザイン担当者のデザインした上毛バッグが
受賞作品に決定された。
受賞者については、今年の1月、知事の「
直滑降ストリーム」にゲスト出演し、
ドギーバッグによる食べ残しの
持ち帰り普及に貢献していただいている。
ドギーバッグの
受賞作品をもとにPRを進めているが、
ウィズコロナにおいて宴会等の場がないことから実際の取組が難しい状況で、現在は、令和3年度の
ドギーバッグの導入に向けた準備を進めている状況である。
令和3年度に予定している取組については、「食べきり協力店」約500店舗のうち
モデル店50店舗を募集し、
ドギーバッグを導入する店舗にポスターの掲示や
ホームページでのPRを試験的に進めていきたい。
併せて、この事業は、環境省の
ドギーバッグ導入モデル事業を活用して取組を進めている。
この
モデル事業で
ドギーバッグを導入した後は、優良な事例をとりまとめた動画等により広くPRし、他の飲食店へ横展開したい。
食べ残しの
持ち帰りと
ドギーバッグの使用が当然のライフスタイルとなり、定着していくように啓発して参りたい。
また、
ウィズコロナで
ドギーバッグを
テイクアウトに活用する取組も検討していきたい。
◆金子渡 委員
環境省の
モデル事業で多くの事例を発信していただきたい。
環境省、
農林水産省、
消費者庁に
厚生労働省も加わって、
持ち帰りの推進を検討していると聞いている。
導入あたっては、衛生面の注意喚起が大事であると思うがどうか。
◎木島
気候変動対策課長
消費者庁、
農林水産省、環境省と
食品衛生を所管する
厚生労働省の4省庁が連名で、
飲食店等における食べ残し対策に取り組むにあたっての「
留意事項」を公表している。
「
留意事項」によれば、食べ残しを持ち帰る場合は、食中毒のリスクを十分に理解した上で、自己責任の範囲で行うこととしている。
また、
消費者庁、
農林水産省、環境省の3者も連名で、
都道府県宛に「外食時のおいしく『食べきり』ガイド」が通知されている。
ドギーバッグの導入推進に当たっては、食中毒のリスクなどの衛生面に十分配慮して進めることが必要だと考えており、
食品衛生を所管する健康福祉部とも協議を重ねているところである。
県としては、先ほどの4省庁による「
留意事項」等を踏まえ、食べ残しの
持ち帰りにあたり、消費者、飲食店の両方において、衛生面に十分配慮していただけるよう、健康福祉部と連携してしっかりと注意喚起を行って参りたい。
◆金子渡 委員
ドギーバッグで持ち帰る人は、自己責任で持ち帰って、保管が悪かったら捨てるという判断で、次の機会でも
ドギーバッグの
持ち帰りを試みるが、飲食店はどのような形であれば、
ドギーバッグでの
持ち帰りが可能で、
食品ロスを削減できるのか難しいところもある。
食べ残しどころか箸もつけずに帰ってしまうことも多い。最初から持ち帰れる料理となるとお弁当を提供することとなるが、お弁当製造許可など様々な問題が生じる。
柔軟に取り組んでいかなければ、
食品ロスは削減できないので、しっかりと連携して
ドギーバッグの推進も併せて検討していただきたい。
◎木島
気候変動対策課長
宴会時、料理に手をつけずにそのまま退席することで料理が
食品ロスになる。このことについては、宴会の幹事からオーダー表を提出していただき、ホテル等もその値段で対応するという仕組みを検討している。
ホテルや飲食店は、安くてたくさん出すという思いがあり、ハードルは高いが根気強く勧め、双方が連携して
食品ロスを削減する方法を検討したい。
◆金子渡 委員
利用するお客さんも提供するお店もウィンウィンの関係が理想である。例えば、あまり食べないから安くしてくれと言ったら、飲食店は客単価が下がり、お店の経営が成り立たないなど難しい問題である。
様々な事例を紹介していただきながら、取り組んでいただきたい。
次に、木育インストラクター養成講座の概要について伺いたい。
◎高山
林業振興課長
県では、昨年12月に東京おもちゃ美術館と全国
都道府県で3番目となる「ウッドスタート宣言」を宣言した。
これを契機に子供から大人まで、多くの方に木材の良さや利用する意義を伝える「木育」に取り組むこととした。
その取組の一つとして、「木育」を実践する指導者として、木育インストラクター養成講座を開催することとした。
この講座については、保育園の保育士や子育て団体の指導者を対象に40名程度を募集し、3日間程度の講座を予定している。
また、講師については、「ウッドスタート宣言」の東京おもちゃ美術館に講師をお願いする予定である。
◆金子渡 委員
上野村、みなかみ町、川場村、沼田市の県内市町村においても「ウッドスタート」を宣言し、木育を推進しており、県全体での取組に期待している。
木育インストラクターは、どのような活動を行い、どのような効果があるのか伺いたい。
◎高山
林業振興課長
木育インストラクター養成講座を修了した者は、インストラクターとして県で認定登録し、公表したいと考えている。
木育インストラクターについては、地域や職場で自ら木育活動を実践する。
市町村、保育園やイベントの講師として木育インストラクターを紹介し、活動の場作りを支援したい。
このような活動で県内全体に「木育」を広め、子供から大人まで木材の良さや利用する意義、森林、林業への理解、県産材の利用促進につなげたい。
◆金子渡 委員
木育インストラクター40人をしっかりと養成できるように、幅広く募集をかけて、群馬の「木育」が群馬の森林林業の理解と発展につながるよう活動をお願いしたい。
最後に、中大規模木造建築マイスター養成講座の概要について伺いたい。
◎高山
林業振興課長
今後、新規住宅着工数の減少が見込まれることから、県産材の需要拡大をしていくためには、鉄筋コンクリートや鉄骨で作られている非住宅の商店や事務所の建築に県産材を使用していただくことが必要である。
しかし、現在、県内には、中大規模の木造建築物設計に詳しい設計士が少ない状況であり、一部県内の木造住宅では県外の設計者にお願いしているケースも見受けられる。
このため、中大規模木造建築設計時に必要な法令、構造計算、耐火構造のほか、県産木材の特色、流通などの知識や技術を習得する中大規模木造建築マイスター養成講座を開催するものである。
講座については、県内の設計士を対象に、20名程度で5日間程度の講座を予定している。
現地実習の講座には「ZEB推進
モデル事業」の建築現場も組み込む予定である。
◆金子渡 委員
中大規模構造の建築を広げていくという非常にいい目的である。
未来マイスター養成講座はどのような内容か。
◎高山
林業振興課長
建築士を対象とした中大規模木造建築マイスター養成講座とこれから建築に進んでいく未来マイスター養成講座を併せて実施する予定である。
未来マイスター養成講座は、前橋工科大学と連携して、高校生と大学生を対象として木造建築の魅力や基礎的な知識を習得する講座である。
対象人数は、40名程度を計画しており、未来の木造建築を担う人材確保を図りたい。
◆金子渡 委員
県産材の需要拡大と人材育成の両方を目指して実施するということで期待している。
実際には、この講座を受講して、建築士が中大規模の建築に県産材を活用することで、県産材の需要拡大につながる。これからの事業であるが、養成講座を受講した建築士と学生が協力してどのようなことができるのか伺いたい。
◎高山
林業振興課長
この講座を修了した者は、ぐんま中大規模木造建築マイスターとして登録、公表したい。
また、マイスター登録者については、さらなる知識の向上やマイスター間の連携などを図るため、フォローアップ研修を計画している。
今後は、登録したマイスターを市町村、教育施設、社会福祉施設等を新設する事業者等に紹介し、県産木材を使用した中大規模木造建築物の設計機会を作り出すことで、非住宅建築物の県産材利用を進めていきたい。
◆金子渡 委員
是非、県のいろんな施設が、県産材でできれば良いと思う。
ただ、鉄骨で建築する建物を木造で建築する場合には、価格の面が合わないなどいろんな問題が出てくる。
先ほどの木育インストラクターも森林環境譲与税を活用した事業であるので、この事業で実際に木材を使って建築ができるといったときには、価格面のフォローも必要である。
総合的な事業になるように期待をしている。
○
泉沢信哉 委員長
続きまして、本郷委員からの通告がありますが、その前に、先ほど本郷委員からの質問について、
気候変動対策課長から答弁を求められておりますので、
気候変動対策課長の答弁から開始したいと思います。
◎木島
気候変動対策課長
群馬
再生可能エネルギープロジェクトの
制度融資2億6,400万円余の内訳については、これまで融資の認定をした継続部分が、平成28年度から認定件数142件で、認定融資額2億3,600万円余である。また、新規分は上限額300万円を融資した場合の100件相当分、3億円の融資枠を用意している。継続分の認定融資額と新規分の融資枠にそれぞれ協調倍率を掛けて合算したものが、予算額の2億6,400万円余である。
◆
本郷高明 委員
再生可能エネルギープロジェクトについて、
太陽光発電設備のこれまでの取組と今後について、計画等があれば伺いたい。
◎木島
気候変動対策課長
太陽光発電設備について、2019年度の事業用の太陽光設備の導入は、FITベースで全国6位であるが、住宅用の
太陽光発電設備の設置率は、関東でも最下位の約11%である。
この部分を踏まえ、
住宅用太陽光発電設備の導入促進強化について、県の重点施策の一つとして、
住宅用太陽光発電設備等や蓄電池等の普及、発電設備と蓄電池を合わせた普及に取り組んでいる。
これまでも、補助制度や年利1%の融資制度を導入してきたが、FITの期間満了に対応して
太陽光発電設備を長期的・継続的に自家消費分として使用するため、2019年度からは
太陽光発電設備設置済みを条件に蓄電池やV2H単独にも融資対象を拡大した。
さらに、設備導入時における初期費用の負担軽減を課題を解消するため、
住宅用太陽光発電設備導入推進「官民共創事業」として、「初期費用0円事業」と「共同購入事業」の2つのタイプを実施する。
「初期費用0円事業」は、事業者の負担で
住宅用太陽光発電設備を設置し、住宅の所有者は事業者に対して、毎月の電気代やリース料を支払っていただき、契約期間が終了した場合に事業者から住宅の所有者に設備が無償で譲渡される仕組みである。
一方、「共同購入事業」は、
住宅用太陽光発電設備等の購入希望者を募って、一括して発注して購入することでスケールメリットを働かせ、初期費用の低減を図ろうとするものである。
さらに、「ぐんまゼロ宣言住宅促進事業」では、テレワークスペースなどの新しい生活様式に対応した設計、高断熱、高効率な空調設備や
太陽光発電などの創エネ設備を備え、県産材を使用した高性能住宅の新築を促進していく。
県では、従来の取組に加え、これらの取組で家庭部門の創エネ・蓄エネを推進し、温室効果ガス排出量「ゼロ」、災害時の停電「ゼロ」を同時に実現することにより、
ウィズコロナにおいても、県民が安全で安心して日常生活を送り、経済活動を行うことができる社会基盤づくりに全力で取り組んで参りたい。
◆
本郷高明 委員
是非、
太陽光発電の普及を促進していただきたい。
自宅に
太陽光発電の設置を計画し、地域の住民に伝えたところ、電磁波が心配なので設置しないでくれと言われた。
太陽光発電で電磁波が発生しないことの周知をお願いしたい。
「官民共創事業」について、広告宣伝費が30万円と少額であるが、どれぐらいの効果が期待できるのか伺いたい。
◎木島
気候変動対策課長
予算計上は、広告宣伝料のみで、補助金等で対応する仕組みではない。
例えば、「初期費用0円事業」は、民間事業者のビジネスプランで、県民にとって有利なビジネスプランを検討いただいている。
そのビジネスプランを検討、吟味し、官民共創で精度の高いプランとして作り上げ、広報する事業の費用である。
「初期費用0円事業」「共同購入事業」は、他の
都道府県の先進的な取組がある。そのノウハウも踏まえた上で、新しい形を導入していきたい。
◆
本郷高明 委員
革新的環境イノベーションコンソーシアムについて、水素の利活用を初めとした異業種交流など、水素に関して群馬県も前向きにスタートした。他県に出遅れた感はあるが、水素は究極のエネルギーであるので、力を入れていただきたい。
次にプラスチックごみ「ゼロ」の海岸漂着物対策計画について、どのような内容か伺いたい。
◎中島
環境保全課長
海岸漂着物対策計画は、海岸漂着物処理推進法に基づき、
都道府県が定める
法定計画である。
各
都道府県が、その
都道府県の実情を踏まえ、地域における海岸漂着物対策をどのように推進していくのか示すものである。
海洋ごみは、ペットボトルや流木など様々なものがあるが、私たちの生活から排出するプラスチックごみが多くを占めている。また、プラスチックごみの排出される経路は、ポイ捨てのような意図的に環境中に捨てられるもののほか、ごみステーションにごみを排出した後に風で飛んでしまう、鳥が荒らして周辺に撒き散らしてしまう、野外でプラスチック製品が劣化して粉々に散乱してしまう場合があり、意図的でなくてもプラスチックが環境中に排出されてしまう。
このように、環境中に排出してしまったプラスチックが、側溝や河川に入り込み、最終的には海に到達していると考えている。環境中に排出されたプラスチックが海に到達することから、内陸県ではあるが、海岸漂着物対策計画を策定し、プラスチックごみを含む海洋ごみ対策を進めたい。
計画策定にあたっては、現状を把握することが非常に大切であるので、まずは、河川敷に散乱してるごみを調査し、河川のマイクロプラスチック量の調査から取組を進めていきたい。
◆
本郷高明 委員
先ほど
食品ロス「ゼロ」についても同じ質問をしたが、プラスチックごみ「ゼロ」の見える化について、どのように考えているのか。
◎中島
環境保全課長
環境中に排出されたプラスチックごみは、自然環境中で破砕され、細分化した場合にマイクロプラスチックになる。
マイクロプラスチックの量は、環境中に排出したプラスチックごみの全体量と直接結びつかないが、河川に流れるマイクロプラスチック量を、毎年、同じ時期に、同じような形で測定し続けることにより、プラスチックごみ「ゼロ」の成果を図る指標の一つになると考えている。
そのため、衛生環境研究所と産業技術センターの協力を得て、マイクロプラスチック測定の調査方法を確立し、利根川での予備調査を実施している。
現在、調査結果を整理している段階であり、近いうちに公表したい。
マイクロプラスチックごみ「ゼロ」の成果を図るという視点も含めて、河川環境中のマイクロプラスチック調査を毎年継続して実施していきたい。
◆
本郷高明 委員
マイクロプラスチックの測定は難しいと思うが、2050年には、海の魚よりごみが多くなるといわれている。
プラスチックごみは、年間800万トン排出され、焼却しない限り永久的に残り続ける。
マイクロプラスチックは、魚が食べてしまった場合に消化されないため、満腹と錯覚して魚が死滅する。日本は、プラスチック排出量が世界3位であるので、プラスチックごみを見える化し、県民に向けて、プラスチックごみ削減のアナウンスをお願いしたい。
次に、桐生市
林野火災について、近年の県内の山林火災の中で、今回の
林野火災が13番目の規模だったと聞いている。
過去の大規模
林野火災の発生事例と発生原因について伺いたい。
◎多胡
林政課長
県内で昭和46年以降に発生した大規模な
林野火災は、平成9年の安中市中秋間で196ヘクタール、平成26年の桐生市菱町で191ヘクタールである。
令和2年1月から12月の発生件数は、令和元年の約半数の7件で、平成26年度以降
減少傾向で推移している。
過去5年間の発生原因は、落雷による自然現象で発生したものは1件で、その他は、たき火、タバコ、野焼き、建物火災からの延焼などで、ほとんどが人為的な原因による発生である。
林野火災発生時期も、1月から5月までの発生が約9割である。
◆
本郷高明 委員
海外と比べ、日本は人為的原因による
林野火災が多い。
今までも予防活動を実施しており、今後も広報や啓発活動を強化するが、実災害はたき火やたばこの火がほとんどである。
今回の被害総額は251万円であるが、消防や自衛隊に人的な尽力をいただいた。
1度火事になると自然の生態系が崩れ、食べ物がなくなり、クマなどが出没して2次被害も発生するため、広報や啓蒙活動を強化していただきたい。
具体的な今後の対応について伺いたい。
◎多胡
林政課長
林野火災の原因については、人為的なものが大部分を占めている。
コロナ禍の影響で山間部でのキャンプ、バーベキューが増加しているので、県民一人一人が森林の大切さを認識し、予防意識を高めることが最も大切である。
そのため、一層の広報や啓発活動を強化し、のぼり旗、ポスターの掲示、ポケットティッシュや携帯用灰皿などの普及
啓発物品の配布を行うとともに、山火事パトロールや広報車による注意喚起の実施、県
ホームページやtsulunosなどの広報媒体を用いて、地域住民や入山者等に対する予防啓発に努めて参りたい。
また、地域ごとに開催している地域対策協議会において、県、市町村、消防関係者と連携して、情報共有、巡視、連絡体制の強化を図り、引き続き、地域一体となった予防対策に取り組んで参りたい。
◆
本郷高明 委員
これから登山のシーズンも到来するので、広報や啓蒙活動の強化をお願いしたい。
◆
今泉健司 委員
食品ロス「ゼロ」推進について、フードバンクの活動支援の周知をしっかりと行っていただきたい。
これに関連してフードドライブについて伺いたい。
フードドライブは、家庭で余った食べ物を職場や学校などに持ち寄り、地域の福祉団体、施設やフードバンク等々に寄付する活動として少しずつ根づいてきている。
みどり市においても、昨年10月から第2第4金曜日に各庁舎でフードドライブ事業が実施され、県庁もフードドライブ事業を実施していると聞いた。
県のこれまでの取組と今後の取組について伺いたい。
◎木島
気候変動対策課長
フードドライブは、未利用食品を有効活用することで
食品ロスを削減できる。
加えて、フードドライブそのものの活動を広く周知することで、食べ物を無駄にしない「MOTTAINAI」の心を県民に定着させていくことにもつながる。
これまでの取組としては、フードドライブを実施する市町村や団体等から、実施についての相談を受け、県内の先行事例の紹介や相談に応じている。
また、昨年の9月、10月の合計2か月で2回のフードドライブを実施し、合計293点の食品を集めてフードバンクに提供させていただいた。
実際、県が自ら実施した結果、実施の手順、提供された食品の保管方法、寄付先への速やかな引き渡し方法など実施における注意点を整理し、フードドライブ実施マニュアルをまとめたところである。
このマニュアルを示したところ、マニュアルを活用してフードドライブ実施に至った事例もある。
また、現在、パルシステム群馬、高崎市立倉渕小学校、伊勢崎市立四葉学園、中央中等教育学校においてフードドライブが実施されている。
県もタイミングを合わせて、12日までフードドライブを実施しており、集められた食品はパルシステム群馬が回収、保管の上、フードバンクに寄付する予定である。
今後の取組については、令和3年度も引き続き、県が率先してフードドライブを実施しようと考えている。
また、これまでの取組に加え、フードドライブ現場で必要な資機材の支援を考えている。
県の率先実行としては、四半期ごとを目安に県庁や地域間でフードドライブを実施したいと考えており、打ち合わせ等々で準備をしている。
また、
食品ロス削減月間の10月に合わせて、市町村や各種団体、企業にフードドライブの実施を呼びかけて、県内一斉での「ぐんまフードドライブキャンペーン」を展開していきたい。
フードドライブ現場への支援については、フードドライブ実施マニュアルを提供するとともに、それぞれの団体の都合、要望に応じて、のぼり旗や食品回収箱の無料貸し出しを予定している。
また、ノウハウ自体を指導するほか、県
ホームページなどで、フードドライブ活動をPRして参りたい。
今後とも、市町村や各種団体、企業等と連携して、県内全域にフードドライブの取組を拡大していきたい。
◆
今泉健司 委員
フードドライブは、未使用の食品を持っていける誰でも参加しやすい事業であるが、知らなければ全く動けないため、まずは、フードドライブの周知が重要な取組になる。
素晴らしいマニュアルを策定したので、多くの県民に周知し、1人でも多くの県民に参加していただいて、未使用食品をフードバンクや様々な施設に届けられるようにお願いしたい。
◆
大林裕子 委員
太陽光パネルについて伺いたい。
FIT開始後25年から30年が経過し、2040年ごろには、太陽光パネルを含んだ廃棄物が大量に発生すると予想されている。パネルの処分について不明確なことが多いため、パネルの素材に関わる環境への悪影響や大規模なパネルの放置を危惧している。
国、県、市町村で
太陽光発電設備の導入を進めているが、パネルの廃棄物処理をどのように県として認識しているのか。課題があれば伺いたい。
◎水澤 廃棄物・
リサイクル課長
太陽光パネルの廃棄処分等の現状については、国では、年間約4,400トンの太陽光パネルが使用済みとして排出され、うち3,400トンがリユースされ、残りの1,000トンについては、リサイクル、または、最終処分されていると推計している。
今後、耐用年数の経過等に伴い、2030年代半ばごろから使用済み太陽光パネルの排出量の増加を想定しており、2040年には約80万トンの排出量を見込んでいる。
現在では、廃棄物として
埋め立て処分される量は多くなく、不法投棄事案等も確認されていない。
環境省では、太陽光パネル等の適正なリユース、リサイクル、処分に向けて、平成30年12月に「
太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第2版)」を公表した。
このガイドラインでは、使用済み
太陽光発電設備の取り扱い、解体撤去、リユース、収集運搬、リサイクル、
埋め立て処分等について、関係者の役割と
留意事項が整理されている。
今後予想される
太陽光発電設備の大量廃棄に関しては、太陽光パネルの適正処理体制の構築が課題である。
また、太陽光パネルのリサイクルに関しては、パネルの分解が困難であり、コストが掛かることや、大部分を占めるガラスの再生利用先が確立していないことが課題である。
このため、環境省では、リサイクル高度化設備への補助や有用金属の取り出しに関する技術開発実証等の支援事業を実施している。
県としては、国の動向を注視しつつ、発電事業者への啓発や太陽光パネルの排出事業者、
産業廃棄物処理業者に対し、
廃棄物処理法やガイドラインの遵守指導を通じて、適切に対応していきたい。
◆
大林裕子 委員
環境省のガイドラインに沿って県としては、適正なパネルのリサイクル、或いは処分を周知していくということであるが、太陽光パネルの素材に有毒物質が含まれているとも言われているため、処分時に放置されて環境に悪影響を及ぼすことがないように見守っていただきたい。
太陽光発電は、環境にやさしい再生エネルギーであるが、廃棄処分で環境に悪影響を及ぼすのでは、本末転倒である。国に技術開発を働きかけて、環境に悪影響のない太陽光パネルを開発してもらいたい。
◎水澤 廃棄物・
リサイクル課長
国のガイドラインでは、所有者が廃棄するときに実施することも定められているので、放置がないようにガイドライン等に沿って指導していきたい。
また、リサイクル等についても、国の制度等を紹介しながら推進していきたい。
◆
大林裕子 委員
パネルの廃棄処分方法などを正しく周知する働きかけも必要であるのでよろしくお願いしたい。
◎木島
気候変動対策課長
太陽光発電については、太陽光のパネルは不可欠な装置である。
国の基準に法改正があり、出力の大きいパネルの廃棄について、発電事業者による廃棄費用積立の義務づけが制度化された。
例えば、設置企業が倒産しても対応できるように、大きな額の廃棄費用積立が義務づけされている。
また、廃棄にあたっても、パネル中に含まれている金属部分を破砕する前に抜き取る技術開発が進んでいると聞いている。
破砕していないものの取扱いについても、取扱事業者に指導するようにガイドラインで定められている。
様々な場面で、環境への配慮や環境被害が発生しない取扱いが定められているので、ガイドラインに則って指導していきたい。
◆
大林裕子 委員
住宅に皆さんが率先して、
太陽光発電設備を設置できるような啓発をお願したい。
次に、
食品ロス「ゼロ」の30・10運動は、宴会の開始30分、最後10分は席に座って食べるということであるが、宴会の最後10分で席に座って食べることは、難しい点が多い。
コロナ後は、宴会の様式が変化し、新しい生活様式に対応した30・10運動の検討が必要と考えるがどうか。
◎木島
気候変動対策課長
食品ロス削減の取組として、3きり活動の中の一つとして、食べ切りを求めている。
その延長線上で宴会における30・10運動に取り組んでいただきたいと呼びかけている。
ウィズコロナの時代、ニューノーマルの生活様式を考えると、それ以前から進めている3010運動をそのままの形で実施することが、是なのか非なのかという部分もあるので、よく検討しながら進めていきたい。
やり方は変容させても、料理の食べ残しがないようにという「MOTTAINAI」の心という意味では同じである。
やり方は検討するが、進め方や方向性は変わりなく進めていきたい。
◆
大林裕子 委員
もったいないという言葉が大好きで、日頃から「MOTTAINAI」の心で取り組んでいるので、30・10運動のやり方を考えて進めていただきたい。
○
泉沢信哉 委員長
以上で、
所管事項の質疑を終了いたします。
△
付託議案の討論・採決
○
泉沢信哉 委員長
これより
付託議案の採決に入ります。
議案の採決に先立ち討論される委員は挙手をお願いします。
(「なし」の声あり。)
○
泉沢信哉 委員長
討論がありませんので、本委員会に付託された議案のうち、
環境森林部関係の議案について採決いたします。
なお、議案の採決は、一括で行うことでご異議ございませんか。
(「なし」の声あり。)
それでは、第2号、第5号、第9号、第12号、第57号、第58号の各議案について、これを原案のとおり可決することに賛成の委員は挙手を願います。
(挙手全員)
○
泉沢信哉 委員長
挙手全員であります。
よって、各議案は原案のとおり可決することに決定いたしました。
△請願の審査
○
泉沢信哉 委員長
次に、請願の審査に入ります。
本委員会に付託された請願のうち、
環境森林部関係の請願は、新規1件であります。
それでは、第13号について、執行部から説明願います。
◎藤巻
環境政策課長
(第13号「令和3年度群馬県林業政策に関する請願」について説明した。)
○
泉沢信哉 委員長
説明は終わりました。
第13号の取扱いについて、いかがいたしますか。
(「採択」の声あり。)
○
泉沢信哉 委員長
それでは、挙手により賛否を問います。
採択に賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
○
泉沢信哉 委員長
挙手全員であります。
よって、採択と決定いたします。
以上で請願の審査は終了しました。
△散会
○
泉沢信哉 委員長
以上で、
環境森林部関係の審査を終了いたします。
次の委員会は、明日12日(金)、午前10時に再開し、農政部関係の審査を行います。
△散会
○
泉沢信哉 委員長
なお、最後になりましたが、神戸
森林保全課長、曲沢
林業試験場長におかれましては、今年度末をもって退職されると伺っております。
(委員長ねぎらいの言葉)
それでは、退職される神戸課長から順に、一言ご挨拶をいただきたいと思いますので、お願いします。
(神戸
森林保全課長、曲沢
林業試験場長あいさつ)
△休憩
○
泉沢信哉 委員長
暫時休憩いたします。
午後2時46分の黙祷終了後に再開いたします。
(午後2時45分休憩)
(午後2時47分再開)
△再開
○
泉沢信哉 委員長
以上をもちまして、散会いたします。
委員会記録署名委員
環境農林常任委員会
委員長 泉沢 信哉...